mmorio7’s diary

少しだけ寄ってみませんか

事故の当日

大きなため息といら立ちが募る瞬間だった。

「すみません、○○さんがベットから転落しているので応援お願いします。」

 

深夜1時ごろ。僕は夜勤勤務中だった。

その日は、落ち着いている日で普段、なかなか寝付けない入居者もすんなり横になったら熟睡するほど。

(よし、このまま上手くいけば早番者はリーダだしすぐに仕事を切り上げられるぞ)

なんて思いを持ちながら、深夜1時を回った。

 

1時を回って、僕のフロアでは思っていた状況とは違う様になっており普段寝ない人こそ寝ているのだが、全く別の認知症のおばちゃんが昼夜逆転状態。

なんど臥床してもセンサーが反応して起きてくる始末。そのことを他夜勤者数名と愚痴っていると、再びセンサーが反応した。

 

「また反応してるじゃん(笑)どんだけ覚醒しているんだよ(笑)」

「まじで勘弁してくださいよ~」

 

なんて冗談を話し、僕は居室に向かった。

(どうせ前みたいにベットに端座位の状態でいるんだろうな・・・)

(トイレに誘導すれば収まるでしょ)

 

そんなことを呟きながら居室のドアを開けるとそこには、頭と背中を床にして下肢のみベットに残っている状態だった。

 

僕は数秒固まったのち、大きなため息と、その入居者に対してわずかながら怒りを覚えた。なにせ、初めて見る事故の状態だったから。

 

そこからは、すぐにほかの夜勤者を呼び事故現場・状態の確認。

肩が痛いと話しているけど可動域は問題ないし痣もない。かかりつけ医に連絡を行い、指示をいただいて朝を迎えた。

 

早番者がくるまでは、その入居者と格闘。まるで、猫か犬かがベット上ではしゃぎまわっているようでまったく落ち着く様子もない。今月初めての事故はあまりにもハードな状況だった。

 

だれだって事故なんてしたくない。

介護の現場だと相手が所謂、死に近い状況だし体だって自分たちに比べると明らかに脆い。そんな人たちはプラス認知症とか徘徊癖・歩行不安定とかだったりする。僕たち介護職員はとりあえず、その事故が連続して起きないようにするしかない。

 

あの入居者は病院受診から帰ってきたのだろうか。

 

次の出勤は事後報告書を施設長に提出するわけで行きたくないなぁ・・・